こんにちは!
獣医師のニャン太です!
私は獣医師ですが、プライベートで4匹のトイプードルを飼育しています。
私は、子供のころからゴールデンレトリーバーなどの大型犬を飼うのが夢でしたが、5年前にミルクと出会い、すっかりトイプードルが好きになってしまいました。
目次
初心者におすすめの犬種は何ですか?
獣医師の仕事をしていると、知人から時々聞かれます。
住んでる地域や、お住いの環境、好みなどもありますが、私は今なら自信をもってトイプードルがおすすめですと答えます。
トイプードルってどんな犬種?
トイプードルの歴史
トイプードルは500年程前からフランスで作られてきた犬種です。
もともと、プードル(今のスタンダードプードル)は中世のヨーロッパで今のドイツを中心に水鳥の狩猟や羊を守るために飼われていました。
とてもかしこい犬種なので、重宝されていたようですね。当時の絵画にもプードルはよく描かれています。
その後ドイツからフランスに広がり、見た目の美しさと賢さから宮廷などでとても人気が出ました。その頃から、飼いやすく小型化されていったようです。
あのマリーアントワネットで有名なルイ16世の時代には、今の大きさのトイプードルが完成していたようで、社交界から世界的に知られるようになりました。(ただし、マリーアントワネットが愛した犬種はパピヨンですけどね)
プードルの独特なカットは、猟師と一緒に水鳥を追いかけていた時の名残りだそうです。
そんなトイプードル、現在日本では「トイプー」と呼ばれて親しまれています。
トイプードルとその仲間|サイズ
日本ではプードルの体の大きさがスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイと4つのサイズで分かれています。
ジャパンケンネルクラブ(JKC)によると、その体格の基準はこのようになっています。
ここでいう体格は、まっすぐ立った時の前足の先から肩までの高さのことで、体高と呼びます。
スタンダード | 体高45~60cm(+2cmまで許容される) |
ミディアム | 体高35~45cm |
ミニチュア | 体高28~35cm |
トイ | 体高24~28cm(-1cmまで許容される) |
最近はトイプードルよりも小さいティーカッププードルや、さらに小さいタイニープードルと呼ばれる小型のプードルも出ていますね。
人気もありますが、上のJKCの基準からは外れてしまうので、選ぶ際には注意が必要です。
ちなみにミルクの体高は25cmでした!
トイプードルの毛色はたくさん!
- ブラック
- ホワイト
- ブルー
- グレー
- ブラウン
- アプリコット
- クリーム
- シルバー
- シルバー・ベージュ
- レッド
など
たくさんありますねー。
迷ってしまいますねー。
ただし、正式なトイプードルの毛色は「ひとつの色だけの配色」と決まっているので注意が必要です。
ちなみに、我が家のトイプードルたちは
ミルク、チョコ→レッド
マロン、クッキー→アプリコット
ですよー!
同じお母さんでも色が違うのも面白いですよね!
トイプードルの性格は人懐っこい
いちばんの特徴はとにかく人懐っこいことですね。特に飼い主の事が大好きです。
温厚なところも良いですね。
そしてトイプードルは頭が良くて従順だと言われます。
我が家のトイプードル4匹もとにかく人が好きです。
病院に連れていっても、来客があっても、散歩してても、誰かに近づいて行こうとします。
ミルクとマロンはとにかく全員に愛想ふりまくタイプです。
誰にでもしっぽプリプリしてついて行こうとするので、飼い主がやきもちをやいてしまうほどです笑
チョコとクッキーは少し遠慮がちなタイプです。
様子を見ながら甘えるタイミングを見計らっています。行けると思ったら全力で行きます。
私の働く病院に来る子で、中には人見知りなトイプードルもいますが、やっぱりトイプードルは愛想ふりまくタイプの子が多いですね。
そしてほんとうに頭が良いですよ!
ミルクは我が家に来てすぐにトイレでオシ◯コをしてくれました。
でも頭が良いのは、反面ずるがしこいところもあるんですけどねー笑
そこがまた小憎たらしくて好きです笑
まるで、ひとりの子供のように自己がしっかりした犬種です。
可愛いですよ!
犬の初心者が犬種を選ぶときのポイント8つ
犬種を選ぶのに、見た目のかわいさなどもとても大切ですが、飼いやすさやしつけやすさなども重要になってきます。
次の8つを要点にまとめてみました。
- 大きさが今のお住まいに適しているか?
- なつきやすい犬種か?
- しつけやすい犬種か?
- 日常のお手入れはしやすいか?
- 毛の抜けやすさや生えかわりは?
- どんな病気にかかることが多いのか?
- 不適切な繁殖がされていないか?
- 先輩飼い主がたくさんいるか?
他にもあるかもしれませんが、
「可愛くて飼ったら失敗した」
という話、けっこうよく聞くので気をつけましょうね…
トイプードルがおすすめな10の理由とは?
人になつきやすく甘えん坊な性格
犬は人が好きなんですが、中でもトイプードルは人になつきやすい犬種です。
たとえ人見知りの子でも、飼い主のことはとにかく大好きです。
病院にいると、「飼い主でも手が付けられない犬」がたまにきますが、トイプードルはいません。
家に帰ってくるとしっぽプリプリさせて大喜びしてくれます。
愛情をたっぷり注いであげてください。
頭がとても良くしつけやすい
昔から賢い犬種として重宝されてきたプードルですが、トイプードルもそれを受け継いでいます。
しつけがしやすい犬種として有名です。
人が好きですので、喜んでもらえるとどんどん覚えていきます。
おて、おかわりの芸だけでなく、ハウストレーニングやトイレ、お散歩マナーのしつけもしやすいです。
その分ずるがしこいので、しつけの際に怒ってばかりだと、隠れてこっそりイタズラするので気を付けてください笑
毛が抜けないので掃除が楽
トイプードルはほとんど毛が抜けません。
一般的に犬の毛は人間のように伸び続けないので、毛の寿命が短く、よく抜けます(もちろんその分生えてきています)。
だからワンコさんを飼うと、毛のお掃除が大変ですよね!
特にパグなど短毛の犬種や、柴犬など毛の生え変わりシーズンのある犬種は注意が必要です!
粘着シートのコロコロがいくらあっても足りません。
毛がなくなるんじゃないかってくらい抜けます(なくならないので、一生抜けるんですけどね)。
一方、トイプードルは人間のように毛が伸び続けるので毛の寿命が長く、ほとんど抜けません。
毛が伸びる抜けにくい犬種の中でも、トイプードルは特に毛が抜けにくいです。
毛がほとんど抜けないので、毛のお掃除をする必要があまりありません。普通のお掃除の頻度で十分です。
(でも我が家は猫も3匹飼っているのでコロコロは欠かせませんよ笑)
その分、毛が伸びて絡まりやすいので、しっかりブラッシングをしてあげましょう。
体格が小さいので室内飼いしやすい
体が小さくて、案外せまいところが好きなので、賃貸マンションなどでも安心して飼うことができます。
ペット可であれば、6畳のワンルームなんかでも十分かと思います。
クレートやサークルも、大きなものを用意しなくて良いので、部屋の掃除も楽です。
散歩が少なくても十分運動できる
トイプードルは活発な犬種ですが、同じ小型犬でも、テリアやサイトハウンドなどの犬種のように一定の運動量を必要としません。
室内で遊ばせるだけでも、十分な運動ができますし、食事の量を気を付ければ太りすぎることもありません。
お散歩は、飼い主さんのペースで行っていただいて大丈夫です。
でも、水鳥を追いかけていた時代の血が騒ぐのか、走ったり泳いだりが好きな子が多いです。
まとまった休日があれば、外に出て、一緒に遊んであげましょう。
鳴き声は比較的小さい
先に言ってしまうと、トイプードルは吠えます笑
吠えない犬種じゃないんですねー。中には吠えない子もいますが、それは性格もあるんだと思います。
でも、声があまり大きくないんです。
小型犬でも、ミニチュアダックスフントの子なんかは大型犬顔負けの太い声で鳴きます。
「ワォン!ワォン!」
といった感じでしょうか。
でもトイプードルは
「キャン、キャン」
という感じです。
集合住宅でも外に響きにくいので、あまり近所迷惑になりません。
我が家の場合は、4匹いっせいに吠え始めると、中の人は大変なんですけどね笑
生まれつきの重い病気が少ない
トイプードルだから多い生まれつき多い病気といえば、進行性網膜委縮と膝蓋骨内包脱臼くらいです。
進行性網膜委縮は劣勢遺伝に関連しているので、血の濃くなるような繁殖でなければ確率の低い病気です。
膝蓋骨内包脱臼はほとんどのプードルが生まれつき持っている病気ですが、重症化するケースは少ないです。
以前はよく手術をして治療をしましたが、ここ数年はトイプードルの膝蓋骨内包脱臼の手術は1件もありません。
それどころか、日常的な症状が出るケース自体が少なくなってきています。
トイプードルの繁殖の質が上がってきているのでしょうか。
詳しいことは分かりません。
生まれつき命にかかわるような重篤な病気は少ないです。
長生きな子が多い
他の小型犬と比べても、トイプードルは長生きする子が多いです。
2016年のアニコム損害保険株式会社の調べでは、犬種別平均寿命ランキングで2位(14.7歳)でした。
同じ調べで、犬全体の平均寿命は13.7歳でしたので、平均で1年長く生きるということですよね。
ちなみにその年の1位はイタリアングレーハウンド(15.1歳)でした。
この結果は、まだまだ調査の規模が小さいので、少し偏りが出ている可能性もあります。
でも、実際動物病院で仕事をしていても、長生きだなーと思うこの中にトイプードルが多いのが印象です。
先輩飼い主がたくさんいる
これ、けっこう重要です。
あまり珍しい犬種を飼ってしまうと、先輩飼い主が少なくて、役に立つ情報をもらったり心配事の相談をしたりする相手が少なくなってしまいます。
そういう点では、トイプードルは人気犬種でもあるので、先輩飼い主さんがたくさんいます。
ネットのブログなどを読んでいても、リアルな体験が伝わってきますよね。
動物病院にもよく来る犬種ですので、トイプードル診たことがない獣医師はおそらくいません。
何かあった時の相談もしやすいですよね。
いろいろなカットやオシャレが楽しめる
これ、ニャン太のイチオシです!
トイプードルは毛が伸び続けるので、定期的にカットしないと仙人みたいにボーボーになってしまいます笑
定期的なカットが必要…というと一見デメリットみたいですが、案外これがメリットでもあるんです。
いろんなカットで変化を楽しめる
人間のように髪型を色々とアレンジして楽しむことができます。
もちろん楽しむのは飼い主なんですけどね笑
トイプードルは古くから様々なカットをして見た目にも楽しまれてきました。
最近は、専門のサロンもあるくらいで、人間のモデルさん顔負けにスタイリッシュなトイプードルも見かけるようになりました。
楽しみ方はそれぞれですので、いろいろな考えがあると思います。
でも、これは他の犬種にはないトイプードルの魅力ですよ!
定期的にカット、それは人に見てもらう機会を作ること
定期的にサロンに行ってカットしてもらうことで、他人に我が子を見てもらう機会が増えますよね。
飼い主さんは、毎日一緒に生活をしているので、日々の変化は気がつきやすくても、1週間、1か月の長期の変化になると気がつきにくいものです。
その点、定期的にカットしてもらう=プロに見てもらうことで、そういった変化に気がついてもらえるチャンスが増えます。
その変化の中に、病気のシグナルが隠れているかもしれませんよね。
室内飼いでお散歩にもあまり行かない
そんなワンコさん増えてきていますが、定期的に人に見てもらうということが、異変に気がつく貴重なチャンスですよ!
信頼できるサロンやトリマーさんが見つかると良いですよね。
ニャン太とトイプードルの出会い
さて、ここからは私の話を書いていきます。
私がトイプードルを飼おうと思ったのは、今から5年前の初夏のことでした。
たまたま車で立ち寄った大型スーパーに、たまたまペットショップがあったのです。
私も妻も動物が好きで、ペットショップがあるとついつい見に行ってしまうんですよね。
まあ、いつもだったらこの子かわいいねーとか、こんな商品があるんだねーとか、
「見てるだけ」で、ただのひやかしの迷惑な客です笑
その日もいつも通り「見てるだけ」のつもりでしたが、しきりにこちらにアピールしてくるちっこいやつがいたんです!!
私が近づいても、妻が近づいても、「一緒に帰ろうよ」と言わんばかりにアピールしてきます。
その時は、まったく犬を迎えるつもりはなかったので、
「きっとこの子には良い飼い主が見つかるね」
と思い、その場から離れようとすると、一生懸命こちらを見ながら目線であとを追ってきます。
ちょうどそのあと、年配のご婦人のお客さんが、その子のことをのぞき込んでいました。
すると、どういうわけか、その子は私たちのことをしきりに見ていて、そのご婦人には目もくれませんでした。
「またまたー!自分たちが気になってたからそんな風に見えただけでしょう?」
そう思われるかもしれませんが、本当に一生懸命私たちのことを見ていたんですよ。
その時は、その子に「いい飼い主見つけろよ!」と告げて、帰りました。
……
次の週、少し迷ったのですが、再び妻と一緒にそのペットショップに行ってみました。
いました!
しきりにこちらにアピールしてくるちっこいやつ!
しっぽプリプリ振りながら
「こないだはなんで一緒に連れて帰らなかったの?早く帰ろうよ!」
とガラス越しにうったえてきます。
待っててくれたのかな…
気がつくと、店員さんを呼んで、抱っこさせてもらっていました笑
体つきは大丈夫かな、目は?口は?耳は?
はい、職業病ですね笑
全身しっかりチェックをして、妻にひと言…
「一緒に連れて帰る?」
妻も大きくうなづきました。
そうして我が家の一員になったのが、トイプードルのミルクです。
これ、けっこうペットショップあるあるじゃないですかねー笑
獣医師なのにそんなんで良いのかい!
良いんですよー笑
ペットとの出会いはそんな感じで良いのです。
トイプードル、飼いやすいですよ!
おつきあいありがとうございました。