犬を飼いたい!②犬はどれくらい生きるのか?平均寿命と流れる時間

こんにちは!

獣医師のニャン太です!

 

もし、今、あなたにお子さんが生まれるとなったら、あなたはご自身が亡くなるまでそのお子さんの幸せを考え続け、ご自身が亡くなってもなおそのお子さんが不自由しないように手配をしていくことになりますよね。

 

人生100年、なんて言われる時代になりましたから、100年分の一生を背負っていくことになります。

 

犬を飼う、というのも子供を育てるのと同じです。その犬の一生を背負っていくことに変わりはありません。

 

でも、犬は親離れをしませんし、自立して家を出ていくこともありません。

犬は死ぬまでずっとあなたの100%のお世話が必要なんです。

それは子供とは違います。

 

犬にとってのあなたとの時間は、その犬の人生そのものになるわけです。(人生とは言わないかも知れませんが笑)

だって、犬は朝から電車に乗って一人で買い物に出て行ったり、友達とご飯食べて遅くに帰ってきたり、アルバイトをしてお小遣いを稼いできたり、大学に入って一人暮らしをし始めたりしませんよね。

 

犬はあなたがお出かけされているときはあなたの帰りをずっと待ち続けています

あなたが家に戻られてからはずっと一緒にいます

犬が散歩で出かけるときだって、ずっとあなたと一緒です。

 

犬は毎日同じことの繰り返しでも、

「もうあなたには飽きちゃったワン!」

「こんな生活もううんざりだワン!」

なんてことは言いません

 

犬にとってはあなたとの時間が全てです。

 

犬はどれくらい生きるのか?

犬の寿命ってどれくらい?

動物病院で働いていると意外とよく質問されます。

「12〜13歳だよね!」

「15歳くらいは生きるよね?」

 

まぁ確かにだいたいそれくらいなんですが、獣医師としては根拠のない適当なことは申し上げられませんので、そういう場合はまずはちゃんとした数値をお伝えします。

 

実は犬の平均寿命というものが毎年発表されます。ペットフード協会の独自調査である「犬猫飼育実態調査」の中に、その年の犬の平均寿命が掲載されています。

 

ペットフード協会のデータは、獣医同士の勉強会やセミナーでも使用される、犬猫関連の重要な資料です。

 

2017年の犬の平均寿命は全体で14.19歳です。

おおよそ14歳2か月と1週間です。

 

もちろんあくまで平均寿命ですからね。実際患者さん方にはもっと長生きのワンコさんたくさんいらっしゃいますよ。

 

現在定期的に通われている患者さんの中で一番のご長寿さんは19歳8か月のチワワくんです。進行した白内障ですが特に大きな病気はありません。

その次は19歳2か月のプードルちゃんがいます。心臓と気道にトラブルを抱えていますが、幸いなことに安定しています。

 

亡くなってしまいましたが、20歳超の患者さんもいました。

 

じゃあ犬は頑張れば20歳まで生きるかというと、そうではありません。私の経験上、18歳以上の犬ははっきり言ってレアですし、16〜17歳もそんなに多くはありません。

まあ、あくまで動物病院の獣医師としての経験ですので、もしかすると、

 

「いやー、うちの犬病気もしないし病院なんか連れてったことないけどね、今年で23歳だよ?」

 

というような飼い主さん達が実はとてもたくさんいらっしゃる、なんて可能性もありますけどね笑

 

それに、ここではあまり触れませんが、逆に

不幸にもお家に迎えてすぐに亡くなってしまったりすることもあるかもしれません。

非常に少ないですが、そういうこともあります。

 

あと、私は都内で勤務していますが、地域が変われば事情も変わるかも知れませんね。

でも、それでも数多くの資料を見たり、たくさんの方の話を聞いたりする中で、ペットフード協会の発表(14歳2か月と1週間)は、私としてはしっくりくるので、やはりそれくらいなんだろうと思います。

 

犬の寿命は14歳2か月と1週間

これまでで、「これから犬を飼う」ということは

あなたの向こう14年以上をその犬の幸せについて考え続けなければいけないということ

だと分かりました。

 

もちろん、少しでも長く一緒にいられるならそれが一番です。

でも、その分の責任もあるということを、よく理解して、タイミングを選ぶきっかけにしていただければと思います。

 

あなたにとっての14年は長いですか?それとも短いですか?

 

犬と過ごす時間と時間の流れ

最後に、犬と過ごす時間について、一緒に考えてみましょう。

 

仮に、ですよ。

あなたが土日祝休みの会社員だとします。

平日はいつも必ず朝6時に起きて8時に家を出て出勤します。

夜は必ず18時に帰宅し、24時に寝ます。

休みの日は、8時に起きて24時に寝ますが、必ず1日中家にいます。

 

まあ、そんな人はいないよ、と突っ込まれそうですが、わかりやすくそう仮定します。

時間自体はありそうな時間ですよね。

 

さて、そんな生活のあなたが犬を飼いました。

 

毎日家にいるときは寝ている以外はあなたのワンコさんと一緒に過ごしました。

お盆も正月も、有休も全部フルで使って休みを取り、出かけずに家にいて、あなたのワンコさんと過ごしました。

 

大好きですよね笑

 

そして気が付けば一緒に過ごして14年2か月と1週間。

あなたのワンコさんは天寿をまっとうしました。

 

さて、あなたはいったいどれだけの時間を犬と過ごしていたのでしょうか。

 

ちょっと難しいですが、時間にして32,000時間です。

 

え、それっていったいどれくらい?

 

全然ピンときませんでしたね。

では日にちに置き換えると、1333日分、

そして年換算で3年半分です。

 

あれ?

ちょっと待ってください。

 

こんなに四六時中犬と過ごしてきたあなたが(仮の設定ですけどね)、

そんなあなたでも、たった3年半分の時間しか犬と一緒に過ごせなかったですよね。

 

でもちょっと考えてみてください。

 

実際は同じ会社員でも、残業があったり、お付き合いがあったり、帰りが遅い日があります。

休みの日はお出かけされたり、旅行に行ってペットホテルに預けたり、寝坊して散歩今日はなしねーとか言ってみたり、

するかもしれません。

ありそうですよね?

 

そうなると、3年半がどんどん短く削られていきますよね。

意外と犬と過ごせる時間って、短いと思いませんか?

その短い時間が、犬にとって、人生の全てであるあなたと一緒にいられる大切な時間なんです。

 

お付き合いありがとうございました。

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