ニャン太の「妻の妊娠備忘録」③妊婦さんは情緒不安定になりやすい|夫が見た妊娠初期

こんにちは!

獣医師のニャン太です!

 

私の妻は妊娠14週になりました。

もう少しで妊娠初期が終わりますね。

 

ここまで長かったようなあっという間だったような、不思議な気持ちです。

 

妊娠初期は、つわりがあったり、疲れやすかったり、お腹が少し出てきたりと、体の変化もたくさん出てきますが、心の変化もいろいろ出てきます。

 

私も妻も、ある程度知識があるつもりでしたが、やっぱり実際になってみると、思った以上の心の変化の速さに、私も妻自身もついていけず戸惑ってしまうことがたくさんありました。

 

今回はそんな妊娠初期の情緒不安定になりやすい妊婦さんと上手く付き合っていくために、夫はどうしたらいいのか、私なりに調べたこと、思ったことをまとめてみました。

 

ちなみに妊娠初期とは妊娠15週まで、つまり4か月の終わりまでで、いわゆる安定期に入る前の期間を指します。

 

妊娠と心の変化|なぜ妊婦さんは情緒不安定になりやすい?

ホルモンの影響

女性が妊娠すると、卵巣から黄体ホルモンのプロゲステロンという女性ホルモンがたくさん出てきます。

さらにお腹の赤ちゃんが大きくなって胎盤が発達してくると、胎盤からもプロゲステロンがどんどん作られます。

 

このプロゲステロンは妊娠を維持するのに欠かせないホルモンなんですが、セロトニンのはたらきを悪くしてしまうんですよね。

 

セロトニンというのは「幸せホルモン」のひとつで、脳にはたらいて楽しい気分を作ります。

もともと女性は男性の6〜7割ほどしかセロトニンを作らないので、セロトニンが少ないんです。

プロゲステロンによってセロトニンのはたらきが悪くなれば、当然楽しい気分ではなくなってしまうんですよね。

 

さらにセロトニンは腸にはたらくと腸の動きを良くしますが、セロトニンのはたらきが悪くなると、腸の動きも悪くなります。

そういえば妊婦さんって便秘しやすいですよね。

 

さらにプロゲステロンは体温を上げるので、妊娠初期の妊婦さんは常に微熱があるような状態です。

ずっと風邪が治らないような状態だとすると、心もふさぎ込んだ感じになりやすいですよね。。

 

つわりやマイナートラブルの影響

つわりってほんとかなり大変なんですよね。

男のイメージするつわりはドラマに出てくるような、ある日突然気持ち悪くなってトイレに…

なんて感じかもしれませんが、実際はそれだけではありません。

 

食べても吐いてしまうのが吐きづわり

食べないと気持ち悪くなるのが食べづわり

においに敏感になる匂いづわり

体がだるい、疲れやすい、眠くなる眠りづわり

 

その他にも頭が痛い、お腹や腰が痛い、足のつけ根が痛い、関節が痛いとか、便秘や下痢というマイナートラブルに悩まされる妊婦さんもいます。

何だかんだ妊娠すると軽いものから重いものまでいろんな症状が出ます。

 

つわり自体もしんどいですが、つわりによって今までできていたことができなくなるのもしんどいですよね。

 

好きだった食べ物を食べられない、思うように体を動かせない、仕事や家事がうまくできない、そういうひとつひとつが、妊娠初期の妊婦さんにはストレスになるんですよね。。

 

自身や赤ちゃんに対する心配の影響

妊娠初期は流産が起こりやすい時期です。

妊娠22週より前に赤ちゃんが亡くなったり出てきてしまうことを流産といいますが、ほとんどの流産は妊娠12週までに起こるとされています。

 

流産の起こる確率は15%程とされています。これは「7人に1人は流産してしまう」確率で、かなり高いと思いませんか?

 

流産のほとんどが、赤ちゃん側のトラブルだとされていますが、せっかく授かった赤ちゃんですから、無事に産まれてほしいと思うのは当然です。

だから妊娠さんは自分の体調にもいつも以上に気を使いますし、ちょっとお腹が痛くなったりでもしたらとても心配になります。

 

しかも、やっかいなのが「〇〇だからもう大丈夫ですよ」というのが妊娠初期はありません!

今日の検診が大丈夫でも、もう次の検診までには不安な気持ちでいっぱいになっちゃうんです。

 

特に、妊娠初期の妊婦さんは「自分の中に赤ちゃんがいる」実感がほとんどないんです。

もう少ししたら胎動があって、ポコポコ実感もできるようになるみたいなんですが…

 

それなのに、いるかいないんだかわからない命を、自分のことのように守っていかないといけない…

 

妊婦さんって大変ですよね。

 

女性特有の脳のはたらきの影響

男性は「絞り込み脳」といわれ、一つのことに集中しやすい脳のはたらきがあります。

一方で女性は「割り込み脳」といわれ、たくさんのことを同時に考える(考えてしまう)脳のはたらきがあります。

たくさんのことを考えられるのは一見良さそうな気がしますが、楽しいことばかりではありません。

ホルモンの影響で気分が沈み、あれやこれやと不安なことが出てくると、脳内が負のイメージでいっぱいになってしまいます。

そうなると、次に楽しいことを考えるのも一苦労です。。

 

男目線だと「わからない」ことが多いかもしれません。

でも、別にわからくても良いんです。

そういうもんなんだなぁ、と思えるだけで十分だと思います。

 

妊娠は他人事ではない!夫に出来ることは?

妊娠すると女性の生活はガラッと変わります。当然パートナーである夫だけ今まで通りの生活を送るわけにはいきません。

とにかく理解、コミュニケーション

奥さんの体調の変化に理解を示すこと、そして今まで以上にコミュニケーションを取っていくことが大切だと感じました。

 

理解と言ってもお勉強して知識をつけるわけではありませんよ。

 

一緒に妊娠についての本や雑誌を読んだり、今の実際の体調の変化を聞いたりしながら、妊婦さんとしっかり向き合っていく姿勢を作って、それを示してあげるのがいいんじゃないかと思います。

 

この時に、気をつけるのは他と比べないことです。

 

〇〇さんの奥さんはこうだったのに〜とか、本にはこう書いてあったのに〜とか、それは知識としては大事ですが、妊娠には100人いれば100人それぞれのトラブルがあります。

同じ女性でも、1人目と2人目が全く同じことはあり得ません。

 

今の奥さんの変化に向き合って、理解してあげましょう。

 

それにはコミュニケーションが大切ですね。

 

楽しい話で会話を盛り上げるのももちろんいいんですが、流産や妊娠期のトラブルについてのネガティブな話も、少しずつ奥さんと考えていけるような配慮あるコミュニケーションが必要だと思います。

 

不測の事態に備える

たとえば奥さんが急にお腹が痛くなったら、どうしたらいいかわかりますか?

出血があったら?

それが夜中だったらどうしますか?

妊娠中、特に妊娠初期はいつ何があるかわかりません。

何かあったら、妊婦さんは自分の事で精一杯です。

 

例えば奥さんのかかりつけの病院の番号をすぐに携帯から呼び出せるようにするとか、夜間の救急病院を調べておくとか、ある程度日頃からシュミレーションをしておくのがいいかもしれません。

 

もちろん何事もないのが一番ですが、奥さんはいつも何があるかわからない不安を抱えています。

パートナーが少しでも頼りになりそうな方が、きっと気持ちが楽ですよね。

 

時には一緒に病院に行く

私はほぼ毎回、検診に付き添うようにしていますが、病院に行って一緒に話を聞くことで、あらためて妻の体や心の変化を実感できることもあります。

赤ちゃんの成長も楽しみですが、奥さんの体調について一緒に考え、一緒にアドバイスをもらえる良い機会だと思います。

 

体や心の変化を茶化さない

これ、何となく結構やってしまいがちなんですが、結構妊婦さんは傷つくみたいです。

つい、場の空気を和ませようとしたり、へこんでるのを励まそうとして、笑い話にしてしまいがちなんですが、普段は良くても妊娠中、特に妊娠初期は逆効果なことが多いようです。

 

そういう時は、無理に励ましたり、空気を変えようとするのではなく、一緒になってへこんだり、悩んだりしてあげるほうが良い場合もあります。

 

家事は積極的にやる

「手伝おうか?」ではなくて、率先して自分からやってみるのが良いと思います。

最初はめんどくさかったり、うまくできなくて奥さんに突っ込まれることもあるかもしれませんが、これから赤ちゃんが生まれて出てきたら、お父さんが家事をする機会も増えると思います。

今のうちに、練習だと思ってやってみましょう。

やってるうちに、習慣づいて、それなりにできるようになってきます。

 

家事をやるときは、こだわりすぎないことも大切です。

家事に集中しすぎてしまうと、奥さんへの気遣いが後回しになってしまうかもしれません。

 

そして、奥さんの調子がいい時は奥さんに「手伝ってもらって」一緒に家事をやっていくのが良いんじゃないかと思います。

 

タバコはにおいにも気を付ける、お酒は控える

妊娠するとタバコのにおいって結構気になるみたいです。

特にタバコの副流煙は赤ちゃんに影響を及ぼすこともあるので、妊婦さんは結構過敏になります。

いつもは大丈夫でも、妊娠中は目の前で吸ったり、タバコのにおいを持って帰ってきたりするのは気を付けたほうが良さそうです。

 

タバコ吸わない方も、服ににおいをつけて帰ってしまうと、いつもより嫌がられるかもしれません。

 

妊娠中はお酒は飲まないほうが良いので、多くの妊婦さんが飲まないように意識するかと思います。

自分だけ楽しそうにお酒を飲んでいては、奥さんのストレスになってしまうかもしれません。

外で飲んで帰ってくるのも、帰りが遅くなるなど、奥さんの不安につながってしまうので注意が必要だと思います。

 

それに、お酒を飲むと、つい気持ちが大きくなってしまうので、いつもより自分のことばっかりになったり、いつもより気遣いができなくなったりしてしまうかもしれません。

我が家はこれで険悪モードになってしまうことが多々ありました(反省)

 

万が一奥さんが急に体調不良になったら…

今酔っぱらっててぇ…

では済まされませんよね。

 

禁酒はしなくてもいいと思いますが(多分…)、配慮ある飲み方をしましょう!

 

ご自身のことも大切に、そして夫婦で健康的に!

頑張りすぎて、共倒れになったら元も子もありません。

休む時は一緒に休んで、時には一人で息抜きも良いかもしれません。

 

そして、奥さんの妊娠がわかったこの時期に、あらためて夫婦の健康について見直しても良いと思います。

生れてくる赤ちゃんのためにも、できればいつまでも元気なパパ・ママでいたいですよね!!

 

まとめ|妊娠初期を振り返って

妊娠初期は妊婦さんに急激な体の変化と心の変化が起こります。自分でついていけないくらい一気に変化します。

女性ってすごいな、命ってすごいな、ちゃんと言葉にできないけど、なんかそんな感じです。

 

男は代わってあげたくても、こればっかりは絶対できませんからね笑

 

だからこそ、妊婦様様、たとえ使用人のようになっても、今はそれでいいんじゃないかと思います。

 

早く子供の顔が見てみたいし、そのためには妻に障りなく生活してもらうしか、私にはできません。

 

この経験は今しかできないし、今はちょっと大変かもしれませんが、一生これで終わるわけではありませんからね笑

 

さて、これから中期にさしかかります!

いったいどうなっちゃうのか、楽しみです!

 

おつきあいありがとうございました。

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