こんにちは!ニャン太です!
今回は当たり前のように唱えられている妊娠糖尿病と糖尿病の関連を言いあらわしたフレーズについて考えていこうと思います。
- 「妊娠糖尿病になると将来II型糖尿病のリスクが7倍になる」というフレーズが当たり前のように使われている
- それを聞いてショックを受ける女性は多いはず
- ニャン太が調べた結果、リスク7倍?違うんじゃない?という疑問を感じた
- そもそも妊娠糖尿病を糖尿病予備軍のように扱うのは間違っている
私は妻が妊娠12週で妊娠糖尿病と診断されて以来、妊娠糖尿病と糖尿病について勉強しました。
その中で疑問に思ったことをまとめてみました。
目次
妊娠糖尿病になると将来の糖尿病リスクが7倍高まる?
妊娠糖尿病と言われた妊婦さんの多くが
「妊娠糖尿病と診断された妊婦は将来本当の糖尿病になるリスクが7倍高まる」
という言葉を、本やネットで目にしたことがあるのではないでしょうか。あるいは病院で先生からそう説明を受けられたかもしれません。
私の妻も病院で7倍リスクが〜と説明を受けた1人です。
そして、この「糖尿病のリスクが〜」のフレーズ、楽しいはずのマタニティライフを台無しにしてしまう悪の親玉のひとりです。というか極悪人です。
まるで将来の糖尿病のレッテルを貼られたみたいで、ものすごく辛い気持ちになります。
なぜ糖尿病リスクが7倍高まると言われているのか?
このリスク7倍という数字はどこから来ているのか。
2009年にイギリスで発表された論文が元になっています。
イギリスのBellamyらは1960年から2008年までのⅡ型糖尿病患者の調査をまとめ、妊娠糖尿病の妊婦はそうでない妊婦に比べて7.43倍リスクが高いと報告しました。
Bellamy L et al.Type 2 diabetes mellitus after gestational diabetes: a systematic review and meta-analysis
この調査は、過去に報告されたたくさんの論文を分析して妊娠糖尿病と糖尿病の関係を調べたものです。
この論文では過去20の研究論文、675,455人の女性が対象となっていて、かなり大規模な調査といえます。
でも、ここで疑問を感じました。
疑問
要は日本の新しいデータはないのか?ということですが、細かく書くと次のようになります。
- 妊娠糖尿病の診断基準は2010年以降世界的に見直され、今までより圧倒的に患者数が増えているのに、論文は2008年までのデータをまとめたもの。
- 日本では2015年に診断基準が統一化され、妊娠糖尿病の患者数がおよそ4倍になったとされている。
- それまでの妊娠糖尿病の診断は、より糖尿病型に近いものが多かった。
- 現在は早期発見と食事などの治療介入でリスクは下がっているはず。
- ということは今の妊娠糖尿病の診断基準に糖尿病のリスク7倍という数字は当てはまらないのではないか。
- そもそもアジア地域と欧米地域ではⅡ型糖尿病の有病率が違う。
この疑問を解決すべくいろいろ調べてみましたが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。
どなたかご存知でしたらぜひ教えてください。
一定期間「血糖値高め」が続いたら糖尿病リスクが高くなるのは当たり前。そのための医療でしょ
妊娠糖尿病にかかわらず血糖値が高い期間があれば、糖尿病のリスクは高くなります。
もちろん遺伝的な要因など本人ではどうしようもない部分も含んでいるのも事実です。
でも家族性糖尿病の1番の原因は「同じような食生活」にあると言われていますよね。
妊娠糖尿病だからリスク7倍うんぬん伝えて「人生オワタ」みたいな感じにするのではなく、
リスクを減らすためにどうするのかを考えてくれるのが医療では?と私は思います。
妊娠中に血糖値が下がりにくいのは決して病気だからではありません。
今の日本の食事は簡単に血糖値を上げることのできる食べ物であふれています。
妊娠糖尿病だからどう、とかではなくて、どなたでも気をつけないといけない問題ですね。
とっても大変なんですが、ぜひこまめな内科指導と栄養指導を受けてみませんか?
私の妻は妊娠12週で妊娠糖尿病と診断されたので、定期的に内科指導と栄養指導を受けています。
総合病院なので、産婦人科と連携した診察を受けられています。
幸い、今のところ極端に血糖値が上がることなく、おチビも順調に妊娠29週を迎えています。
インスリンはまだ導入していなくて、食事法だけです。
でも膵臓を休めるためにインスリンが必要なら今後導入になるかもしれません。
食事法は夫婦で一緒に食事内容に気を付けたり、分食などの血糖値が上がらない工夫を取り入れています。
これは出産後も無理なく続けようと思っています。健康なパパ・ママでいたいですからね。
まあそれでもストレスだらけですけどね。笑
まとめ
妊娠糖尿病と言われると、お先真っ暗、人生終了みたいになってしまう方も多いと思います。
でも母体や胎児の将来の健康を守るために新しい診断基準が導入されました。以前とは違います。
今後も妊娠糖尿病関連の医療はどんどん変わっていくと思います。
これから妊娠糖尿病と向き合っていく可能性のあるママさんやご家族は、数年前と状況が変わっていることを頭に入れておいてくださいね。
おつきあいありがとうございました。