こんにちは!獣医師のニャン太です!
我が家の4匹のトイプードルに与えているドッグフード「モグワン」ですが、
「モグワンは子犬用がないのに子犬に与えて大丈夫なの?」
とご質問がありました。
おそらく、一般的にペットショップやホームセンターなどに並んでいるペットフードの多くがライフステージごとのラインナップになっているので、子犬(パピー)用がないことに不安を感じるのでしょう。
大丈夫です。モグワンは全ステージ対応ですので、離乳期を過ぎた子犬でも安心して食べてもらえます。
今回はその辺のお話を書いていきます。
目次
そもそも子犬用フードの条件って何?
子犬用のフードは大人用のフードとどう違うのでしょうか。
一般的に子犬用のドッグフードは成犬用と比べて以下のような特徴があります。
- 高タンパク(メーカーによっては+α高脂質)でカロリーが高い=体の成長をサポート
- DHA・EPAといったオメガ3脂肪酸=脳や皮膚の発達をサポート
- カルシウムなどのミネラルが多い=骨の成長をサポート
- ビタミンが豊富=未熟な免疫力をサポート
- 消化性に優れている=未発達の消化管を助ける
細かくあげればもっとありますが、ざっとこんなところでしょう。
実際に、例としてヒルズのサイエンスダイエットのパピー(子犬用)とアダルト(成犬用)を比べてみましょう。
パピー(%) | アダルト小粒(%) | |
たんぱく質 | 26.8 | 21.7 |
脂肪 | 18.1 | 14.7 |
炭水化物 | 38.5 | 48.8 |
粗繊維 | 1.7 | 1.6 |
カルシウム | 1.23 | 0.71 |
リン | 1.07 | 0.63 |
ナトリウム | 0.46 | 0.27 |
DHA | 0.145 | 記載なし |
オメガ3脂肪酸 | 1.03 | 0.48 |
オメガ6脂肪酸 | 3.04 | 3.32 |
ビタミンE | 600IU/kg | 600IU/kg |
ビタミンC | 90mg/kg | 100mg/kg |
こうしてみていくと、やはりタンパク・脂質・カルシウム・リン・オメガ3脂肪酸などが圧倒的にパピーの方が多く配合されているのがわかりますね!
モグワンはパピー期でもあげられる
では、先ほどの条件にモグワンをあてはめるとどうなるか見ていきましょう。
高タンパクでカロリーが高いか
モグワンは良質な動物性タンパク源が使用され高タンパク。カロリーはやや抑えめ
モグワンにはチキンやサーモンの動物性原料がふんだんに使用されています。
タンパク量も28%で他のメーカーのパピーフードと比較しても高水準ですので、子犬の体の成長には問題ありませんね。
サイエンスダイエット パピー(%) | モグワン(%) | |
たんぱく質 | 26.8 | 28 |
脂肪 | 18.1 | 12 |
一方で脂質が少ない分、カロリーは抑えた配合になっています。
100gあたりのカロリー
サイエンスダイエット・パピー…383kcal
モグワン…344kcal
DHAなどのオメガ3脂肪酸がしっかり配合されているか
モグワンはサーモンオイルの自然なオメガ3脂肪酸がたっぷり
サーモンにはDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。
サーモンをたっぷり使用したモグワンはオメガ3脂肪酸が一般的なドッグフードより多く配合されています。
サイエンスダイエット パピー(%) | モグワン(%) | |
DHA | 0.145 | 記載なし |
オメガ3脂肪酸 | 1.03 | 1.29 |
オメガ6脂肪酸 | 3.04 | 1.63 |
脂質のバランスもモグワンの方が良さそうですね!
モグワンにはDHAの記載はありませんが、良質の魚由来のオメガ3脂肪酸には一定量のDHAが含まれているので、その辺も問題なさそうですね。
骨の成長に必要なカルシウムなどのミネラルを多く含んでいるか
天然のミネラルに加えてサプリメント(鉄・亜鉛・マンガン・銅・カルシウム・セレン)が配合されている
もちろん、カルシウムなどのミネラルも成長には欠かせませんが、モグワンはしっかりミネラルを配合してあるので特に問題なさそうにみえます。
特に骨の成長に不可欠なカルシウムとリンを見てみましょう。
サイエンスダイエット パピー(%) | モグワン(%) | |
カルシウム | 1.23 | 1.65 |
リン | 1.07 | 1.27 |
カルシウム:リン | 1:0.87 | 1:0.77 |
比べてみるとモグワンの方がカルシウムとリンがたっぷり入っているのがわかります。
カルシウムとリンの比率はほとんど同じですね。
AAFCOの栄養基準では、カルシウムとリンの比率は1:0.8が理想的とされています。
ニャン太
ビタミン類がしっかり摂取できるか
素材のビタミン類がたっぷり。成長期に不足しがちな脂溶性ビタミン(A・D・E)はサプリメントも配合されている。
消化性に優れているか
グレインフリーで良質な動物性タンパク質が多く使われているので子犬のおなかにも優しい
サイエンスダイエット パピー | モグワン | |
穀物(グレイン) | トウモロコシ×、コーングルテン×、米× | 使用なし |
子犬用のドッグフードを選ぶときの条件
栄養満点でバランスの良いフードを選ぶ
成長期に必要なエネルギーやたんぱく質が豊富な栄養満点のフードを選びます。
中でも良質の動物性たんぱく源が多く使用されているかどうかも重要です。
子犬はグルテンフリーが原則
小麦のたんぱく質を「グルテン」と呼びます。
離乳期はおなかの中で食べ物とそうでないもの(ばい菌のような異物)を認識する「免疫(めんえき)」というシステムが発達する時期です。
この免疫のシステムは、食べ物の中でも特にたんぱく質に対して食べて大丈夫かどうかを判断します。
自分の体に近い「ミルク」や本来の食べ物である動物性のたんぱく質は体が「食べ物」だと認識しやすいです。
一方で、植物由来のたんぱく質や、極端に加工された食材、添加物などは「異物」として認識されてしまうことがあります。
異物として認識されてしまった食べ物を食べ続けるとどうなるか?
アレルギーとして将来皮膚病や下痢などの症状を引き起こしてしまうかもしれません。
特に小麦に由来するグルテンは異物として認識される確率が高く、子犬の食事としては向いていません。
サイエンスダイエット パピー | モグワン | |
小麦(グルテン) | 使用なし | 使用なし |
食材(特にたんぱく源)は必要最低限で
子犬期にはあまりたくさんの食材を食べることはおすすめできません。
厳密にいえば母乳以外はすべてアレルギーの対象になりうるので、あまり多くの食品に触れてしまうと当然そのリスクが上がります。
多くの食物アレルギーが離乳期に完成するとされています。
当然アレルギーの対象になってしまった食べ物を食べ続ければ、将来皮膚病や下痢などの症状が出る可能性があります。
さらに子犬の腸内細菌のバランスはちょっとした食材の変化ですぐに乱れます。
だから、いろんな食材を与えてしまうと下痢をしやすいという問題もあります。
子犬期は極力少ない食材で、バランスの取れたフードを選ぶのが良いですね。
化学保存料・着色料・香料・人工調味料など人工添加物を使用しない安全なフードを選ぶ
人工添加物の中には子犬の成長に影響したり、将来の病気のリスクを高めたりしてしまうものがあります。
またアレルギーの原因になってしまうものもあるので、子犬用のフードはそういった添加物を使用していないドッグフードを選ぶのが良いですね。
オールナチュラルで安心のドッグフードを選ぶ
フード自体に添加物が入っていなくても、例えば人口飼料や薬品まみれの餌で育てられたお肉や、農薬だらけの野菜が原料になっていては何の意味もありませんね。
特に原材料の添加物や、お肉や野菜に使われる薬品などは原材料表示に表示されないので注意が必要なんです。
子犬用のフードを選ぶときは、フードの原材料だけでなく、その原材料がどういったものに由来するのかをしっかり考える必要があります。
子犬にドッグフードを与える時の注意点
ペットショップやブリーダーから子犬を迎えた場合、まずは今まで食べていたものを与える
これは基本ですが、どんなものを食べていたにせよまずは今までと同じものを食べてもらうことです。
ほとんどのペットショップやブリーダーでは食べていたフードを教えてくれるはずです。
中には同じものを渡してくれるところもあります。
そのフードが飼い主として気に入らないものでも、まずはそのフードを食べてもらうようにしましょう。
フードを変更する場合、今までのフードに少しずつ混ぜながら慣らしていく
もともと食べていたフードがとても良いと思えれば同じものをずっと食べてもらえば大丈夫ですが、「こっちのフードにしたいな」ってときがありますよね。
その場合はフードを一気に変えてしまうのではなく、新しいフードを少しずつ前ながら切り替えるようにしていきます。
たとえば、一回の食事が30gだとすると
25g(今までのフード):5g(新しいフード)
▼
20g:10g
▼
15g:15g
▼
10g:20g
▼
5g:25g
▼
30g(新しいフード)
このひとつひとつの段階を数日から数週間かけて少しずつ切り替えていきます。
これをしないと新しいフードを食べてくれなかったり、下痢になったりしてしまうことがあります。
乳歯の生えそろい具合を見ながら、ミルクを混ぜたりお湯でふやかしたりして与える
犬の乳歯は生後3週間くらいから生え始めて、生後1か月半~2か月くらいで生えそろいます。
乳歯が生えそろうまでは子犬用ミルクと一緒にフードを与えます。
ミルクとフードは別々でも良いのですが、ミルクをフードに混ぜてフードを柔らかくしてあげるのもおすすめです。
特に離乳し始めはフードが食べ物だと分かってくれないので、ミルクたっぷりのベチャベチャご飯を作ってあげます。
ある程度乳歯が生えそろっていても、固いフードが食べづらければお湯でふやかしてあげるのも良いですね。
ただし、熱湯をフードに注いでしまうと栄養が損なわれるので、40℃程度のぬるま湯を使うようにしましょう。
ニャン太
1日4〜5回以上、できる限り分割してフードを与える
離乳期の子犬の胃袋は大きくないので、1日量を何回かに小分けにして食べてもらうようにします。
少なくとも4〜5回には分けた方が良いです。
特に体の小さな子犬は簡単に「低血糖状態」になります。
必要なエネルギーを確保しつつ、なるべく食事と食事の間の時間が空かないように工夫します。
また必要なエネルギーを一気に食べようとすると吐いてしまうこともありますからね。
この「分割食」は将来的に太りにくい体質を作ることにもつながります。
体型や便の調子を見ながら1日に食べる量を加減する
子犬の成長には思っている以上にエネルギーが必要なんです。
そのため、ほとんどの子犬はドッグフードのパッケージに書かれている目安量よりも多く食べる必要があります。
病院に来られる子犬さんの多くが痩せすぎています。
もちろん食べすぎればお腹がゆるくなるかもしれませんし、一気に食べて吐いてしまうかもしれません。
食べる量は調節が必要です。
モグワンに子犬用がない理由
そもそも子犬用のフードって必要なのか?と私は思うのですが、どうでしょう。
多くの子犬用フードは6か月~1歳くらいまでを対象に作られていますが、体の発達でいえば人間の中学生くらいから大学生までくらいの扱いになります。
大人と何か違うもの食べてましたか?
栄養満点でバランスもとれていて体にいいものは、大人も子供も同じです。
犬も本来、離乳期から親犬が運ぶ肉を食べ始めます。食べやすい部位を選んでもらいますが、肉は肉ですよね。
栄養満点で消化が良く、バランスの取れたオールステージの食事は、大人にも子供にも良い食事だと言えますよね。
モグワンを子犬に与える時のワンポイント
離乳期から4か月くらいまでは子犬用ミルクを一緒に与えるようにしましょう。
特に大型犬や食べが悪い小型犬の子にはこのポイントは重要です。
まとめ
栄養満点でバランスの取れたオールステージフード「モグワン」は子犬にも安心してあげられます。
グレインフリーで消化性に優れ、離乳期のアレルギー形成のリスクも低いフードです。
フード選びに迷ったら、ぜひ試してみてください。
我が家のトイプードルたちも喜んで食べてくれています。
※クリックで公式サイトに移動できます
おつきあいありがとうございました。