モグワンの成分・原材料を獣医師が解説|成分表から分かることと注意点

モグワンの成分・原材料を獣医師が解説|成分表から分かることと注意点

モグワンを検討していて、まず気になるのが「何が入っているのか」ではないでしょうか。

チキン&サーモン56.5%、グレインフリー、ヒューマングレード……。魅力的に見える言葉はいろいろありますが、表示だけを見て「愛犬に良さそう」と判断していいのかは別の話です。

こんにちは。獣医師のニャン太です。

この記事では、モグワンの現在の原材料と成分表を確認しながら、「そこから分かること」と「成分表だけでは分からないこと」を分けて考えていきます。

モグワンの成分・原材料をまず一覧で確認

モグワンの成分を評価する前に、まず現在の表示をそのまま確認しておきましょう。

ここを飛ばして「○○が入っているから良い」と話し始めると、だんだん話が迷子になります。まず事実、評価はそのあとです。

チキン&サーモン56.5%を含む原材料構成

現在確認できるモグワンの原材料は次のとおりです。

区分原材料
チキン&サーモン56.5%HDPチキン生肉21%、生サーモン12%、乾燥チキン12%、乾燥サーモン7.5%、チキングレイビー2%、サーモンオイル2%
その他サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ショウガ、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、MSM、コンドロイチン、ミネラル類、ビタミン類、乳酸菌

ここで注意したいのが、「チキン&サーモン56.5%」の読み方です。

これはチキンとサーモン由来の原材料を合わせた配合割合であって、「動物性たんぱく質が56.5%入っている」という意味ではありません。

タンパク質の量は、後ほど紹介する保証分析値の「タンパク質27%以上」で確認します。

古い記事や過去の成分情報を見る場合は、現行表示と混ざらないよう注意してください。

タンパク質27%以上など現在の保証分析値

続いて、現在の保証分析値です。

成分保証分析値
タンパク質27%以上
脂質10%以上
粗繊維5.75%以下
灰分9.56%以下
水分9%以下
NFE37.5%
オメガ3脂肪酸1%
オメガ6脂肪酸2.3%
リン1.2%
カルシウム1.4%
エネルギー354.5kcal/100g

これらは、モグワンの栄養構成を考えるうえで大切な情報です。

ただし、数字を見ただけで「良いフード」「悪いフード」と決められるわけではありません。

そもそも、それぞれの数字が何を表しているのでしょう?

ここから原材料と成分表を少し分解して見ていきましょう。

モグワンの原材料は4つのグループに分けて見る

原材料一覧にはたくさんの名前が並んでいます。

一つずつ「これは○○に良い」「こっちは△△に良い」と説明したくなるところですが、それをやると、原材料辞典のようになってしまいます。

それよりも、フードの中でどんな役割を持つ原材料なのか、グループに分けた方が全体像をつかみやすくなります。

チキンやサーモンなどの動物性原材料

モグワンでは、HDPチキン生肉、生サーモン、乾燥チキン、乾燥サーモン、チキングレイビー、サーモンオイルが「チキン&サーモン56.5%」として表示されています。

チキンやサーモンなどの動物性原材料は、一般的に犬の食事におけるタンパク質などの供給源になります。

ただし、もう一度ここを整理しておきます。

原材料としてチキン&サーモンが56.5%配合されていることと、完成したフードに含まれるタンパク質が27%以上であることは別の情報です。

56.5%という数字を、そのままタンパク質量として読むことはできません。

炭水化物源・豆類

モグワンにはサツマイモのほか、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆などが使われています。

「でも、モグワンってグレインフリーですよね?」

はい。ここが少し紛らわしいところです。

グレインフリーは穀物を使っていないという意味であって、炭水化物を含む原材料そのものを使っていないという意味ではありません。

モグワンにもサツマイモや豆類など、穀物以外の炭水化物源となる原材料は含まれています。

そのため、「グレインフリー=炭水化物がない」とは考えないようにしましょう。

油脂類とオメガ3・オメガ6脂肪酸

油脂に関わる原材料として、モグワンにはサーモンオイルやココナッツオイルが使われています。

保証分析値には、脂質10%以上に加えて、**オメガ3脂肪酸1%、オメガ6脂肪酸2.3%**と表示されています。

オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸は、体内でさまざまな生理機能に関わる脂肪酸です。

ただし、「オメガ3が入っている→皮膚が改善する」といった一直線の評価はできません。

栄養素が体内で果たす一般的な役割と、そのフードを食べた特定の犬に健康上の変化が起きるかどうかは分けて考える必要があります。

野菜・果物・ハーブなどその他の原材料

そのほか、モグワンにはアルファルファ、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ショウガ、アスパラガス、パパイヤなどが配合されています。

さらにグルコサミン、MSM、コンドロイチン、ミネラル類、ビタミン類、乳酸菌も原材料として記載されています。

野菜や果物を見ると、つい一つひとつに健康効果を期待したくなりますよね。

ただ、原材料名から分かるのは「配合されている」という事実です。

どの程度含まれていて、その量によって特定の健康効果が得られるのかまでは、この原材料一覧だけでは判断できません。

ここは少し地味ですが、大事な線引きです。

モグワンの保証分析値はどう読む?成分表から分かること

では、もう一つの大事な情報である「保証分析値」を見ていきましょう。

数字がずらっと並ぶので難しそうに感じますが、それぞれの意味が分かれば、それほど怖いものではありません。

まず知っておきたい保証分析値それぞれの意味

ざっくり整理すると、次のように考えると分かりやすいでしょう。

タンパク質は、筋肉や臓器など体をつくる材料になる栄養素です。

脂質は、エネルギー源になるほか、細胞膜など体の構成にも関わります。

粗繊維は、フード中の繊維成分を見るための指標の一つです。

灰分は、フードを燃焼させたあとに残る無機物、つまりミネラル成分などの目安です。

水分は、その名前のとおりフード中に含まれる水分量です。

NFEは「可溶性無窒素物」と呼ばれる値で、フード中の炭水化物を考える際の一つの目安になります。

名前が急に難しいですね。「NFEだけ授業が始まった?」という感じですが、まずは炭水化物に関係する数値と考えておけば十分です。

オメガ3・オメガ6脂肪酸は脂肪酸の種類、カルシウムやリンは骨をはじめ体内のさまざまな働きに関係するミネラルです。

そして354.5kcal/100gというエネルギー量は、どのくらいの量を与えるか考えるときの重要な情報になります。

なお、保証分析値はペットフードの栄養成分を確認するための有用な情報ですが、水分量の異なるフード同士を厳密に比較する際には、そのままの表示値だけではなく乾物換算などが必要になる場合があります。FDAも、フード間で栄養素を比較する方法として水分を除いた乾物ベースへの換算方法を示しています。

数値から確認できるのは栄養構成やカロリーなど

モグワンの成分表を見ると、

タンパク質27%以上、脂質10%以上、オメガ3脂肪酸1%、オメガ6脂肪酸2.3%、カルシウム1.4%、リン1.2%、エネルギー354.5kcal/100gといった数値を確認できます。

この情報は、愛犬の食事を考えるための「材料」になります。

たとえば、1日にどの程度のカロリーを与えるのか考えたり、現在食べているフードと栄養構成を比べたりするときには役立ちます。

ただし、比較する基準がないまま「タンパク質27%だから高タンパク」「脂質10%だから低脂肪」と決めつけるのは少し早いです。

犬の年齢や活動量、体格、健康状態によって、確認したい栄養条件は変わります。

WSAVAも、ペットフード選びでは原材料一覧だけを過度に重視するのではなく、栄養面を含めたより広い情報から判断することを勧めています。

成分表だけでは消化性や健康効果、愛犬との相性までは分からない

では逆に、成分表から分からないことは何でしょう?

これがかなり大切です。

原材料と保証分析値を見れば、配合されている食材や栄養成分の表示値は確認できます。

しかし、実際にその犬がどの程度消化・利用できるのか、喜んで食べるのか、便の状態がどう変わるのかといったところまで、成分表だけで予測することはできません。

同じフードでも、食いつきや便の状態には個体差があります。

涙やけや皮膚症状などについても、「この原材料が入っているから改善する」と成分表だけで判断することはできません。

つまり、フードの成分を評価することと、そのフードが自分の愛犬に合うか判断することは同じではないんですね。

ここを分けて考えておくと、広告の言葉にも口コミにも振り回されにくくなります。

グレインフリー・ヒューマングレードはどう評価する?

モグワンを調べていると、「グレインフリー」や「ヒューマングレード」という言葉を目にすると思います。

どちらも商品を知るための情報ではあります。

でも、「その表示がある=必ず良いフード」という話ではありません。

グレインフリーは「穀物不使用」を示すもので優劣そのものではない

モグワンはグレインフリー、つまり穀物を使用しない原材料構成になっています。

ただし、先ほど確認したとおり、サツマイモやエンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆などは使われています。

ですから、グレインフリーは「炭水化物不使用」という意味ではありません。

そしてもう一つ。

穀物を使用しているかどうかだけで、すべての犬にとってのフードの優劣を決めることもできません。

愛犬に避ける必要がある食材があるのか、必要な栄養を満たせるのかなど、ほかの条件と一緒に考える必要があります。フードは原材料名だけでなく、栄養面を含めて評価することが大切です。

「すべての原材料がヒューマングレード」とは限らない

「ヒューマングレード」と聞くと、「全部、人間用の食品と同じ原材料なのかな?」と思うかもしれません。

ここは表現の範囲を確認しておきましょう。

モグワンではヒューマングレードの原材料を使用しているとされていますが、公式情報では、乾燥原材料等についてはペットフード用に生産されたものを使用していると説明されています。

そのため、「モグワンのすべての原材料が人間用食品と同じヒューマングレード」と拡大して解釈するのは適切ではありません。

同じように、「ヒューマングレードだから、それだけで安全」「だから品質が高い」と単純に結論づけることもできません。

表示が何を意味しているのか、その範囲をそのまま読む。

商品情報では、このくらい冷静な見方がちょうどいいと私は思います。

モグワンの成分で涙やけ・皮膚や被毛・便への効果は判断できる?

ここからは、モグワンの成分を調べている方が気になりやすい健康面について考えてみましょう。

食事と体の状態が無関係というわけではありません。

ただし、「この成分があるから、この症状が改善する」と考えるのは別問題です。

涙やけは成分表だけで「改善する」とは判断できない

「モグワンに変えたら涙やけが良くなる?」

気になりますよね。

食事が涙や目の周囲の状態に関係するケースを完全に否定することはできませんが、涙やけには食事以外の要因もあり、原因は一つとは限りません。

そのため、チキンやサーモン、野菜など特定の原材料が配合されていることを理由に、「モグワンなら涙やけが改善する」と判断することはできません。

涙が多い、目を気にしている、赤みや目やにがあるなど気になる症状が続く場合は、フードだけの問題と決めつけず、動物病院で原因を確認してください。

皮膚・被毛に関わる栄養素があっても効果は個体ごとに異なる

皮膚や被毛を正常に保つためには、タンパク質や脂質を含め、さまざまな栄養素が関わります。

モグワンでは、保証分析値としてオメガ3脂肪酸1%、オメガ6脂肪酸2.3%が表示されています。

ただし、この数字だけを見て「毛並みが良くなる」「皮膚症状が改善する」とまでは言えません。

皮膚トラブルには栄養以外の原因もありますし、その犬に必要な栄養条件も状態によって変わります。

かゆみ、赤み、脱毛などが続いている場合は、フード変更だけで様子を見続けず、原因を確認することが大切です。

便の状態は食物繊維だけでなく食事量や体質にも左右される

モグワンの粗繊維は5.75%以下と表示されています。

では、この数字から「良い便になる」と判断できるでしょうか。

残念ながら、そこまで単純ではありません。

便の状態には食事の内容だけでなく、給与量、フードの切り替え方、その犬の体質や消化状態なども関係します。

新しいフードに替えた直後は変化が出ることもあるため、成分表だけで便の状態を予測するのではなく、実際の愛犬の様子を見ることが必要です。

成分表では分からない食いつきや便など、実際に与えた際の情報が気になる方は、「モグワンの口コミ・評判」記事も参考にしてみてください。

ただし、口コミはあくまでその犬・その飼い主の経験です。自分の愛犬にも同じ結果が出るという証明ではありません。

腎臓病・肝臓病など持病がある犬は成分表だけで判断しない

腎臓病や肝臓病などの持病がある場合は、ここまでとは少し話が変わります。

モグワンにはタンパク質27%以上、リン1.2%などの表示があります。

ただ、この数字だけを見て「腎臓病だからダメ」「この数値なら大丈夫」と自己判断するのは避けてください。

たとえば慢性腎臓病では、病期や状態に応じてリンを含む栄養管理が治療上の検討事項になります。IRISでも、犬猫の慢性腎臓病について病期に応じた治療・栄養管理の指針が示されています。

つまり、単純に市販フード同士の数字を比べれば決められる問題ではありません。

持病がある場合は病名ではなく愛犬の状態に合わせて判断する

同じ「腎臓病」「肝臓病」という病名でも、年齢、体重、病気の進行度、治療内容、検査値、現在食べているフードなどによって、食事で重視する条件は変わります。

療法食による栄養管理が必要なケースもあります。

持病がある愛犬にモグワンを与えてよいか迷っている場合は、商品の原材料一覧や保証分析値を主治医に見せて相談するのが一番現実的です。

「この病気なら、このフード」と病名だけで決めるのではなく、今の愛犬に何が必要なのかを基準に考えてください。

モグワンが愛犬に合うかは成分以外も含めて判断しよう

ここまで成分を見てきましたが、フード選びは成分表だけで完結しません。

まず確認したいのは、原材料や栄養成分が自分の希望条件に合っているかどうか。

そして、愛犬に避ける必要のある原材料がないか、カロリーや給与量を含めて無理なく与えられそうかを考えます。

そのうえで、実際の食いつき、便の状態、続けやすさ、購入費用などを見ていく。

成分表はとても大切です。

でも、成分表に食いつきまでは書いてありません。そこまで書いてあったら、かなり便利なんですけどね。

だからこそ、「成分から分かること」と「実際に試したり、別の情報を確認しないと分からないこと」を分けて考える必要があります。

食いつきや実際の使用感まで知りたいなら口コミを確認

原材料や保証分析値を確認しても、香り、粒の感じ、食いつき、実際に与えたあとの便などは分かりません。

こうした情報を確認したいときは、「モグワンの口コミ・評判」記事が次の判断材料になります。

ただし、口コミで「食いつきが良かった」「便が変わった」と書かれていても、それは商品の医学的な効果を証明するものではありません。

良い口コミも悪い口コミも、「こういう犬もいた」という実際の使用情報として見るのがおすすめです。

購入候補になったら価格・購入方法を確認

成分を確認して「うちの子の候補には残りそう」と感じたら、次は価格や購入条件を確認してみましょう。

ドッグフードは一度買って終わりではなく、継続して与えるものです。

通常価格だけでなく、購入方法や継続した場合の費用まで含めて無理がないか確認する必要があります。

この成分記事では価格比較までは広げません。

現在の値段や購入方法については、「モグワンの価格・購入方法」記事で確認してください。

まとめ|モグワンの成分は「配合事実」と「判断できる範囲」を分けて見よう

モグワンでは、チキン&サーモン56.5%が配合され、現在の保証分析値はタンパク質27%以上、脂質10%以上、オメガ3脂肪酸1%、オメガ6脂肪酸2.3%、リン1.2%、カルシウム1.4%、354.5kcal/100gなどとなっています。

グレインフリーは「穀物不使用」という特徴であり、それだけでフードの優劣は決まりません。

ヒューマングレードについても、すべての原材料が人間用食品と同じものだと拡大解釈しないことが大切です。

そして何より、成分表から確認できるのは「何が使われ、どのような栄養成分が表示されているか」です。

涙やけ、皮膚・被毛、便などへの効果や、特定の犬との相性までは成分表だけでは判断できません。

まだモグワン自体が愛犬に合いそうか迷っている方は、「モグワンの口コミ・評判」で実際の食いつきや使用情報を確認してみてください。

成分を確認して購入候補に入った方は、「モグワンの価格・購入方法」で現在の価格や購入条件を確認してから判断しましょう。